ここむす事務局の日常を綴ったドタバタ裏話など…|ここむす事務局日記
三沢を訪問して想うこと―其の弐
事務局員のつぶやき
2009年1月26日(月) 10:00
さぁ、扉の中へ入ってみましょう。
入場料300円を受付で支払ってまずは「ホワイエ」と呼ばれるエントランス兼年表と簡単な展示スペースです。ここは展示室とは呼ばないようです。とにかく受付をやり過ごすとこのホワイエでビデオ上映の音が耳に入ってきます。三上寛が三沢市で寺山修司の足跡を訪ねる、という趣旨のものでした。たった4年間だけを暮らしたに過ぎないこの三沢で、当時の友人らから寺山修司の思い出を聞き出し寺山修司の「原点」を探る、というものです。三上寛は『田園に死す』の作品にもミュージシャン兼俳優として出ています。当時と比較しては酷ですが、随分おっちゃんになっていました。寺山作品に出てくるメタファーがほとんどこの三沢で過ごした少年時代が重要なファクターになっていることが容易にわかります。なかなか良く出来た映像だと思いました。壁面には寺山修司の足跡が所狭しと並べられており、どれをとっても素晴らしい展示品だと思いました。
「展示室1」に移動します。
館内は撮影禁止ですのでお見せする写真はありませんが、これがまた不思議な空間でびっくりです。『机』というものに無限の広がりを感じていた寺山らしい展示になっています。広い空間に無秩序に並べられた『机』と『引き出し』に隠された寺山修司を見つけてくださいといわんばかりの体験型の展示でした。「筆舌に尽くしがたい」とはこういうことを言うんでしょうね。是非一度訪問して体験してみてください。
そして、高い天井には寺山修司の頭の中にあったものがモビールとして展示されています。これが岡本太郎だったら奇妙なオブジェが進化の過程を追って展示されていた「太陽の塔」になるんでしょうけど、寺山は違います。『私』や『死』、『知らない人』『待つ』などといった言葉がオブジェになっているのと同時に、芝居や映画の一場面がそのまま切り取られたようなシーンが展示してある様は心地よい異空間を感じずにいられません。ほんとに寺山ワールドを上手く再現してあると思いました。
右の写真は「展示室1」で唯一撮影が許されているものです。通称「顔出しパネル」っていうらしいです。確かこの場面は『血は立ったまま眠っている』の一場面だと記憶しています。(間違っていたら、ごめんちゃい!)一人で見て回っていたのでもちろん、顔を突っ込む余裕も勇気もなく、写真を撮るのみで終了してしまいました。残念です。
では、一旦記念館の外に出てみましょう。
適度に冬が近づいていることが知れる森の中を通り過ぎると小田内沼を見下ろすちょっと小高い湖畔に記念碑が立っているという案内を目にしました。もちろん、行ってみることにしました。早足で山の中をアップダウンしながら約10分。そこには立派なブロンズの巨大な本が目に入ってきました。思っていたよりも立派です。
『田園に死す』をモチーフにした記念碑ですね。巨大な本にちょっと哀しげな犬です。このカタチの犬、みなさんどこかで見られたことありませんか?
そうです、最近は店頭でほとんど見かけることのない「ビクターの犬」をモチーフにしたとかしないとか。三沢駅がまだ古間木駅だった当時、時計と楽器を扱う店だった上野時計店に置かれていたそうです。寺山はそのビクターの犬がえらくお気に入りで、それに似た近所の犬を可愛がっていたというくらい思い入れがあったようです。だからここにも登場したのではないでしょうか?
暫くの間ベンチに腰を下ろして走馬灯のようにめぐる寺山修司のあれやこれについて振り返っていました。小学生の時、寺山修司という才能に出会い、今こうして初めて来た三沢の地で寺山修司を感じている自分はいったい何なんだろうかと。
不思議な経験が出来たことに感謝して、次回を最終回にしたいと考えています。
最後までよろしくお付き合いくださいね。
<関連記事>
・三沢を訪問して想うこと
コメント
-
おりょう
2009年1月27日(火) 17:59
言葉の錬金術師の異名をとった、あの寺山修司さんですね。
うーん、この出会い、きっと意味のある出会いだったのでは?
管理人ナベさんもここむすの「言葉の年金術師たれ!」ということではないですか?(笑)管理人ナベさんの今後の文才ぶりにも期待してまーす。



